子牛の呼吸器病といえば 壱岐市家畜診療所 獣医師 小野塚 孝
2018.10.10
技術情報子牛の呼吸器病といえば、白痢・下痢とならび子牛の病気の大半をしめます。原因は細菌・ウイルス・マイコプラズマなどが関与しています。その予防には適切な時期に子牛にワクチン接種、場合によっては出産前の親牛にワクチン接種を行って予防されている方が多くいらっしゃると思います。しかしながら、牛のワクチンは人のワクチンと違いワクチンブレイクと言って接種していても発症してしまうことが多くみられます。ただし未接種の牛に比べれば、発症率低下や治療期間短縮・増体には効果的思われ、全国的にいろいろな方法で接種されています。
ワクチン接種の方法は、どのようにするのがベストなのかまだ確立されていません。農家の皆様がワクチン接種を希望される場合はかかりつけの獣医師と相談のうえ一番良いと思う方法で行って下さい。もう少しすると子牛の呼吸器病が増加する冬の寒い時期を迎えます。ワクチン接種の効果を一層上げるため、同時に以下の対策を行ない呼吸器病の被害を減らしましょう。
*ストレス軽減:ヒーターやジャケットなどを使用した温度管理、十分な栄養、密飼に注意、糞尿からのアンモニア発生による気道粘膜の防御機能低下を抑えるための十分な換気
*病原体を減らす:敷料のこまめな交換、車両・長靴の消毒、噴霧器による牛舎の消毒
*早期発見:牛をよく観察する、体温測定、聴診器による呼吸音の聴診(聴診器は安いものは数千円程度で購入できます。また獣医師でなくても異常な呼吸音は、慣れればほとんどの場合わかると思います。)